三浦瑠麗という政治学者に絶望してしまった私

東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員三浦瑠麗が書いた「日本に絶望している人のための政治入門」(文春新書を読んだ。評価はD、最低だ。題の付け方に興味を覚えたので読んでみただけ。

 いくら出版社に書名をつける権利があるからといって、サラリーマン啓発本じゃあるまいし、誇大広告すぎるんじゃないの。「日本に絶望している人のための…」という題から期待するのは、新味があって、読めば意欲が出てくるんじゃないかと思わせるよね。でもこんな羊頭狗肉な本は初めてだぜ。

 そもそも三浦瑠麗という女国際政治学者。まだ売り出し始めの新人。私が初めて知ったのは、幅広な評論家宮崎哲弥が週刊誌で褒めていたからだ。先日の朝まで生テレビにも論者として出ていた。つまり、今売り出し中の若手美人(?)政治学者だ。

 最近東大出の女というだけで、タレントとしてテレビに出られるようで、日本という国も安直になってしまったという気がするが、学者までそうなのか。東大出の学者なんて掃いて捨てるほどいるんじゃないかと思うが、美人でないといけないらしい。でも中身はスカスカでもいいらしいところも何とも日本的といえる。

 この本、書名は大仰だけれど、中身はスカスカで、上から目線で、中立を装って、「不毛な左右対立を超えて」なんて章立てして、保守もリベラルも同等に切って見せているが、実はバリバリの左翼的新自由主義者じゃないか。新味ゼロですぜ

 「戦後の日本は、自由と民主主義をだんだんと進化させてきました。…日教組は学校の現場で戦前の軍国主義や差別を否定し、…戦いました。」と訳の分からないことを書き、また小泉の構造改革を評価し、アベノミクスのうちの経済成長のための規制改革等だけを評価し、財政政策には一言も言及しない。 橋下維新に至っては、べた褒めのみ。

それがよく表れているのは、三浦瑠麗のブログ山猫日記に書かれた「大阪都構想 影響が大きい「政治論としての」敗北」という文章だ。住民投票に負けた橋下について、次のようにいう。
「実に晴れがましい表情をしていた。大阪都構想の是非を問う住民投票において僅差で敗れた橋下大阪市長のことである。…一人の政治家がここまで期待され、あるいは憎まれてきたことに改めて驚かされる。私の第一印象は、Bad for Osaka, Good for Japanというところだ。大阪にとって残念な、日本にとっては良い結果になり得るというものである。
…今般の、住民投票に向かう政治過程において維新の幹部が投入したエネルギーには目を見張るものがあった。
賛否は別にして、日本の地方政治にあって、ここまで住民を巻き込んで、真剣に住民の支持取り付けに奔走した政治運動はなかったのではないだろうか。(後略)」

 橋下が、反対勢力に対してマスコミを含め、権力をむき出しにして種々の弾圧を加えたのは周知のこと。それを三浦は「維新の幹部が投入したエネルギーには目を見張るものがあった」と、トンデモ評価をする始末。これが政治学者といえるのか。

 文藝春秋7月号に寄稿した中野剛志氏の橋下評「橋下徹とは結局何者だったのか」を読まなかったのか。
三浦は、橋下の多数決原理強調をなぜか評価するが、中野氏はそこに独裁の危険性をみる。

橋下の敗戦の弁「大阪都構想が市民に否定されたのは、やはり(都構想が)間違っていたことになるのでしょうね」に対し、中野氏は、「都構想の「正否」は、投票結果に左右されないはず。なぜなら、多数決が判断をまちがえることはありえるからで、橋下が都構想を正しいと本当に信じていたなら、投票で負けて少数派になっても「間違っていない」と言い続けるべきだろう。」と書く。

続けて「つまり橋下は、「勝敗」と「正否」とを同一視しているのだ。勝敗は投票数で決めることができるかもしれないが、物事の「正否」は、投票では決まらない。橋下は、住民投票に勝利することで、反対派を叩き潰す、つまり、「弾圧」するつもりでいたのだ。
 要は橋下は、民主主義を数が決めることと勘違いし、独裁を言葉の上だけで否定し、真の独裁を手繰り寄せている。」
と、中野剛志氏は橋下を鋭くえぐっている。

そして「独裁者ヒトラー、スターリン、毛沢東、金日成のイメージで語るのは馬鹿げている」として「民主主義と独裁は対立せず、独裁の危機は去っていない」と橋下の政治思考に警鐘を鳴らしている。

 中野剛志氏は経済学者にも関わらず、政治学者三浦よりも、橋下政治の分析において、数段深く分析を行っている。こんな低レベルの三浦を、宮崎哲弥は三浦のどこを評価したのか。まさか、色香に迷わされてしまったのでしょうか。

 更に三浦のグローバリズム的考え方が如実に表れている記述がある。
「…世の中を考える単位を国ではなく、世界、あるいは個人のレベルに置くと、そういう発想のほうが普通のはずです。」

 ここで、そういう発想とは、同じ知識や技能を持つ日本人と中国人とベトナム人の労働者の待遇が何倍も違うというのは、公平ではない。少なくとも先進国の政治家にも知識人にもそんな発想をする人はいない、といっているのだ。
 つまり、先進国のハイレベルの人々は、グローバルな発想が当たり前で、遅れているのは日本だけだといいたいようだ。三浦のグローバリズムがよく表れている。

 結局、三浦の言いたいことは、「日本に絶望している人」は、新自由主義者、グローバリストを見習いなさい、なりなさい、ということだ。しかし、これでは益々「絶望」が亢進してしまうんだけどね。

マスコミも学界も新自由主義者で溢れているので、本人はこのまま進んでいくつもりだろうが、もし学者としての「良心」が少しでもあるなら、新聞の記事程度の理解で納得せず、もう少し勉強した方がいいのではないでしょうか。

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この記事へのコメント

論理的に考えられない人は安易に批判を書かない方が
2016年01月03日 06:00

で、結局、三浦の期待通り橋下はリベンジW選で圧勝しましたね。
敗戦することで逆に民意を掴んだ。
見る目がある人は、君のような中野にマンセーするほど単細胞ではなかったということですよ。

まだまだ人を見る目が無いことを自覚されたら精進なされ。
管理人
2016年01月04日 21:21
>まだまだ人を見る目が無いことを自覚されたら精進なされ。

 ありがとうございます。ご指摘のとおり、65歳になっても「まだまだ人を見る目が無い」ということを反省して、今後とも精進したいと思います。

 貴方自身は論理的考えに自信があるようで、「橋下はリベンジW選で圧勝⇒敗戦することで逆に民意を掴んだ⇒見る目がある人は、中野(剛志)にマンセーしなかった」という論理構造のようですね。
「リベンジW選で圧勝」は「敗戦」がもたらしたと言いたいようですが、「敗戦」⇒「民意を掴む」には論理性があるのでしょうか。単に「敗戦」⇒「なりふり構わず汚い手を使ってでも選挙に勝つように仕向けた」「そしてそれがうまくいった」ということも論理的にありうるのではありませんか。

「見る目がある人は、中野(剛志)にマンセーしなかった」ということは、「見る目がある人」は、「物事の「正否」は、投票では決まる」と貴方は言いたいのですね。
 不思議な論理ですね。多数決は事の「正否」など真実どこにあろうと、多数派が決めてしまうということに過ぎません。だから民主主義は危ういのではないのですか。
(字数長官のため次に続く)
管理人
2016年01月04日 21:22
(続きです)

 つまり、雰囲気や劣情や激情や興奮や惰性やらでも民意が変な方向に行ってしまっても、民主主義の制度はその結果に正統性を与えてしまうという危険性を含んでいます。
 大阪の弱点は雰囲気や劣情や激情や興奮で政治家を選んできたという過去にあります。一番危険なのは日本の大阪化です。

 中野剛志氏が「要は橋下は、民主主義を数が決めることと勘違いし、独裁を言葉の上だけで否定し、真の独裁を手繰り寄せている。」「独裁者ヒトラー、スターリン、毛沢東、金日成のイメージで語るのは馬鹿げている」として「民主主義と独裁は対立せず、独裁の危機は去っていない」
と述べることは、民主主義の危険性を正しく論理的に指摘しているのであって、この論に頷くことが何故「中野マンセー」且つ単細胞になるのかサッパリわかりません。

 SEALDsのように民主主義を単純に礼讃したり、単に強いリーダーシップを求める方が余程「単細胞思考」といえるのではないでしょうか。
野良猫
2016年11月08日 02:41
時々三浦氏の発言をテレビなどで聞く機会があるが、あまり物知らずの私ではあるが、国際政治学者を名乗る割には彼女は非常に勉強不足認識不足であるとしか思えない。最近は学歴が高く美人ならこんな程度でも簡単にコメンテーターになれるんだと失望しきりだ。正直テレビのコメンテーターなどに大した期待などは抱いていないけど。
アフォタリン
2016年12月26日 16:50
色々と面白い論評を書く人だと思っていますが、実名公表しないのは論破を恐れているのですか、最近の日本人はこうゆう方多いですね。クソ野郎が・・・・・・・、引きこもりかな?
とり
2017年04月20日 20:48
三浦さんを批判する人は右は左だと言って、左は右だと言う、結局気に入らないから難癖つけたいだけなのかな(笑)
おびわん☆
2017年04月21日 06:40
確かに許したくない事象だけど
反欧米主義が日本を今更蝕む。
ってとこですか。
時代は常に変わり続ける絶対の元に。
竹槍思想はもはや通用しない。

よき国 より良い最大多数の最大幸福の為に
昇華しましょう!
和を結て。
大衆
2019年03月02日 15:53
今さらですけど、グローバリスト・三浦に対するブログを読んで、さらに日本への絶望が加速しました。
2019年07月11日 11:35
もう見てないでしょうがアフォタリンさん、あなたの言ってることは滅茶苦茶ですよ。普通はブログで記事を書いてる一般人が実名を公表することはありません。そもそもあなたも匿名なのにどの口が言うのでしょうかね。それから匿名でも論破はできますが、あなたは論破できずに「クソ野郎」と暴言を吐くしまつ。極めつけは最後の「引きこもりか?」の一言。顔も名前も知らない相手にレッテルを貼り優位に立とうとする小ささ。しかも引きこもりを蔑視している。……御自身がまあまあ最低な人間だということを自覚した方がいいと思いますよ

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